お久しぶりです、歯科衛生士の木村です(*^-^*)
梅雨が続いて、じめじめしていますね。
すっきり晴れて 暑い夏が待ち遠しいです!
今回は「舌に何かあるので診て欲しい」と来院された70代の男性との話です。
歯周ポケットが深いところが数ヶ所あり 2か月に1度、定期メンテナンスに
来院されていらしたのですがここ5ヶ月来院がありませんでした。
久しぶりにお会いしたらお元気そうで、舌が気になることについて
お話して下さいました。
半年前に自宅で転倒し、全身打撲でしばらく整形外科に通院していたとのこと。
その間に、毎日飲んでいたウィスキーをまったく飲みたいと思わなくなり。
その変わりに、ペットボトルのミルクティーをグラスに入れて
ちょびちょび飲みしている。それが今の楽しみなんだとね~と。
気になっている舌は、奥の方に何かわさわさしたものがあって取れない。
茶色くなっているし、悪いものじゃないかと思って心配…。とのことでした。
拝見すると、いつも綺麗だった歯の表面にはプラークがたくさん!
歯周ポケットの検査をすると、深さはそれほど変わっていないけれど
出血がたくさん!
舌を見ると、真っ白で表面が硬くなっています。奥の方をよく見ると、
舌の表面の組織が毛のように長くのびてわさわさしています。
そしてそのまわりだけ茶色くなっていました。
歯科医に報告し、診断して頂いたところ、「舌苔ぜったい」というものでした。
「舌苔ぜったい」は、細菌や食べかす、はがれた粘膜などが舌の表面に付着して
できた白い苔状のかたまりです。舌の表面には、舌乳頭(ぜつにゅうとう)
という細かい突起があり、この中に食べかすや口の中ではがれた粘膜がたまって
細菌の住み家になり、汚れがついていきます。
舌苔ができる原因は3つあります。
①口の中が綺麗に清掃できていない =細菌の数が多い
②唾液(つば)の量が減少する =口が乾いて細菌が増えやすくなる
③口呼吸をしている =同じく口が乾きやすいため細菌が増える
まずは、お口の中のプラークがきちんと除去できていることが大切です。
あとは、口が乾くとつばの循環が悪くなり細菌が増えやすくなります。
この患者さんの場合、砂糖の多く入っている飲料をちょこちょこ飲みしている
ことが、プラークを増やしたと考えられます。
いつもの歯磨きを念入りに行い、舌を清掃をしていただくことにしました。
洗口剤で乾きを潤しながら細菌の数も増やさないようにします。
舌の清掃は、初めてとのことでやり方を説明しました。
☆専用の舌用ブラシがあるのでお好きなものを選んでいただけます
ブラシタイプ、プラスティックタイプなどあります ☟
もしくは、かため~ふつうの硬さの歯ブラシを使っても大丈夫
☆使い方は 舌を前に出して真ん中あたりに舌ブラシを置き、舌の色が少し
変わるくらいの力で奥から先の方へ動かします この時ゴシゴシはしません
奥から先、奥から先を繰り返して 10回程度でOKです
やりすぎると汚れを奥へ押し込んでしまう可能性があるので適度な回数で
最初のうちは舌がピンクにならなくても、徐々に白さが減っていきますよ!
あとは、虫歯のリスクも上がってしまうため、
できればミルクティーを飲む回数を減らしていただけるかお聞きしてみました。
すると、私は500mlのペットボトルだと思っていたら、なんと1.5lを
毎日1本飲んでしまうそうで…。
お口の中の状態改善のために量を減らすことをお願いしましたが、楽しみにして
いらっしゃることもあり強要はできないため、患者さんに委ねられてしまう
ところではあります(+_+)
今回のことで、ホームケアは変わっていなくても、生活習慣や嗜好品が変わると
お口の中も顕著に変わるんだなぁと感じました!
みなさんも ご自分の舌を見て、もしも白っぽいようなら
歯磨きプラスで ぜひ舌も磨きましょう♪